クマネズミの赤ちゃん
当時、我が家には室外犬3匹と屋内猫2匹を飼っていました。ある晩、犬のスーちゃんが外で一生懸命に泣き叫びだしたので、ヘッドライトを点け外へ向かうと、自分の小屋の下に鼻をクンクンさせて吠えています。何かいるなと思っていると、反対側から大きなネズミがおっぱいに赤ちゃんをたくさんぶら下げたまま、隣の物置下へ避難していくのが見えました。そのとき未だ目の見えない赤ちゃん1匹が、母ネズミからはぐれてしまったのです。スーちゃんにかみつかれる寸前に救い上げ、とりあえず屋内に避難した後に撮影したものです。
丸々太っていて、安心したのか、私の手のひらのうえですやすや寝ていました。一晩、段ボール箱にタオルを敷いて寝た後、翌日の朝、母ネズミが逃げ込んだ物置の下に、そーっと返してあげたのでした。
この話には、後日談があります。あれから1~2か月ほど経ったころであったと思いますが、リビングの前に自作ウッドデッキがあるのですが、そこに日中に大きなクマネズミが現れるようになったのです。きっと大きく成長したあの子だろうとすぐに気づきました。なぜなら、真昼間に人がいる前にネズミが姿を見せたことは、今までに一度もなかったのですから、あの子だったとしか考えられません。たびたび姿をみせてくれて、クマちゃんと呼んでいました。
その後、うちのワンちゃん達は、14歳・15歳・16歳で次々と亡くなり、クマちゃんも数か月ほどで姿が見えなくなりました。あれから4年ネズミの姿を見ていません。